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Aさん:「特許権の取り方と効力」について教えてください。まずは、特許権とはどんな権利なんですか ?
相談員:特許権とは、発明品を独占的に製造・販売することを政府が認めた権利です。
Aさん:では、どのようにすれば、特許権を取れることができるのですか?
:特許権を取るためには、世の中に知られていない発明を一定の書類にして特許庁に提出することが必要です。この手続きを特許出願といいます。
Aさん:特許出願するだけで特許権は必ず取れるのですか ?
:いいえ、特許出願とは別の手続きとして、発明が特許に値するものか否かの審査を求める出願審査請求という手続きが別途必要なります。そして、その審査を通ったものに登録料を納付した場合にのみ特許権が付与されます。
Aさん:特許権を取るには、どの位費用がかかるのですか。
:特許庁に納める印紙代として、特許出願には21,000円、出願審査請求には84,000円以上、登録料が42,300円以上が最低限でも必要になります。但し、これらは自分自身で手続きをした場合にかかる費用です。
Aさん:特許庁に提出する書類は簡単に作れるのですか ?
:簡単ではありません。特許庁に提出する書類は、特許付与後は権利書になり、権利の範囲を特定するものですから、専門家に頼む方が良いかと思います。
Aさん:その専門家ってどんな人たちなんですか ?
:弁理士という資格を持った人たちです。特許手続きを代行して行うための国家試験として弁理士制度があり、特許事務所には必ず弁理士がいますから、お近くの特許事務所に相談することが良いと思います。また、日本弁理士会(
TEL052−211−3110)に弁理士の紹介を依頼する方法もあります。
Aさん:ところで、特許権を取るとどんな良いことがあるのですか ?
:特許権の効力による恩恵を受けることができます。即ち、自分だけが発明品の製造・販売を独占することができるようになり、他人が特許権に係る発明品を勝手に製造・販売していた場合に差し止めを請求したり、損害賠償を請求することができます。
Aさん:・・・・・。難しいですね。
:では、土地の所有権をイメージしてみて下さい。特許権は、独占権という点からしてよく土地の所有権にたとえられます。土地の所有権を取得した場合には、自分だけが独占的にその土地内で自由な活動ができますよね。これと同様に、特許権を取得した場合には、その特許権の範囲内で、自由な事業活動ができます。例えば、自動車を製造する技術分野全体を全領土だとしたら、各製造メーカはその全領土(技術分野全体)のうち自分の事業に関係した土地(特許権)を如何に多く所有するかを考えて土地(特許権)を取り合う構図になります。
Aさん:何となく分かりました。では、特許権を多く持っていれば、土地を多くもっている人たちと同様に、お金持ちになれるのですね ?
:そうとは限りません。誰も欲しがらない土地を多く持っていても、お金持ちになれないのと同じです。これと同様に、他人がその特許権を利用して商売をしたいと思わなければ、特許権がお金を生み出すことはありません。それどころか、特許権を登録するための出費がかかるだけです。
Aさん:では、どのように特許権を取ったらいいのでしょうか?
:土地を購入するときに、どのようなことを考えて購入するかを想像してみて下さい。家を建てる、畑仕事をする等の目的がなければ、土地を所有しても無駄な出費が増えるばかりです。ですから、目的を決めてから土地を購入しますよね。特許権もこれと同じです。自分の事業を他人に邪魔させないためとか、自分のアイディアを他人に買い取ってもらうため等の明確な目的が必要です。
また、購入する土地を検討する場合には、土地の広さ、形、隣の土地との境界線等を知らなければ、自由に土地を使えませんし、他人の土地に入り込んでトラブルを起こす心配があります。特許権も同じように、特許権の効力の範囲を知らなければ、自由に特許権を使えませんし、他人の発明品を無断で製造してしまう心配があります。ですから、特許権を取り方としては、まず特許権を取る目的を明確にした上で、特許権の効力の範囲を理解して特許権を取ることが望まれます。
Aさん:難しいのですね。だから、特許の専門家の弁理士に相談すべきなんですね。よく分かりました。具体的に発明を考えたら弁理士に相談してみます。今日はどうも有り難うございました。
(平成14年 中部経済新聞に掲載)
